七飯町軍川にある「久保田牧場」を取材
日々の出来事
昨日は、七飯町軍川にある「久保田牧場」取材させていただきました。
久保田さんは、先代である父から農業を継承した2代目の農家さんです。
先代は稲作、畑作、乳牛を展開する農家さんでした。
乳牛から獲れる牛乳を使ってチーズ作りを開始した昭和58年ごろから、徐々に酪農に特化した現在のスタイルへと変わっていったそうです。
また、現在のスタイルは、久保田さんが魅せられたフランス農業の影響を踏襲したもので、農家が生産して農家が加工したものを消費者の届けるという、6次産業化のさきがけ的なスタイルで、久保田さんは長年これを実践してきました。
今の牧場の形になったのも、日夜文献や資料を見て勉強を重ね、自分のイメージとしてある理想形に近づける努力を惜しまずにやってきた賜物なんだと感じました。
どうやったら人にきてもらえるのか?を常に考えて牧場経営をおこなってきた久保田さん。
その動機となっているのが、高校を卒業し、友人たちが都会で就職するため七飯町を離れてしまうという時のこと…
「友達もいない中、一生このまま、この仕事を、この何も無い場所で続けてくのか・・・」
「いや、友人や都会の人々がここに来るように、人を呼び込む場所を作ればいい!」
という逆転の発想が今の形を作るきっかけになったそうです。
今では道内外から、たくさんの観光客が久保田牧場を訪れてきており、
「若いカップルや家族連れがアイスクリームを食べて美味しいといってくれるのは嬉しいですね。」
「お父さんが芝生の上に横になって、気持ちよさそうにしているのを見ると、作ってよかったなと思いますね」
と、久保田さんは話してくれました。
現在、酪農施設に加えて、アイスクリーム・チーズと肉牛をそれぞれミルクパーラーとチャレンジビーフ黒べこで提供している久保田さん。
でも、久保田さんの頭の中の未来予想図の今の完成度は6割程度。
「もし、夢を持った若い世代が久保田牧場の門を叩いてきた場合、そういった方次第でまだまだ展開の余地があると思っている。夢を共有して、一緒に展開していきたい。それが残りの4割です。」
と笑顔で話してくれたのが印象的でした。
久保田さんのお話を聞かせていただき、世間が考える第一次産業のマイナスイメージは、農業者にとってはプラスイメージであることを強く感じさせられました。
その根本は、農業がすきであること。自然が好きであること。好きだから追求できる。それを教えられた気がしました。